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夏の読書 [アートな時間]

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だだちゃ豆をたくさんいただいて、サヤの端をキッチン鋏で切っていたら、
レイ・ブラッドベリの短編集「太陽の黄金の林檎」の中の1篇、「ぬいとり」を思いだしました。
物語は5時10分前にはじまります。三人の女がポーチに座って刺繍をしてるところ。
開けはなった扉からキッチンが見え、サヤ付きの豆が、むくばかりに用意されています。
薔薇と草の匂いがし、刺繍は進み…しかし一人の女がいいます。
「もう、晩ご飯は作らない」と。
女たちは、ちょうど5時に起こるはずの何事かを待つ間、刺繍に集中することで耐えていたのでした。
運命の5時。何事もなし。
30秒のち、突然のカタストロフィー。進みすぎた科学がひきおこす破局。
これはブラッドベリの小説にくり返されるテーマでもあります。
「ぬいとり」は美しく悲しい物語です。
そうだ、あまりにも美しくて、しかしつらくて、長いこと敬遠していた「火星年代記」をもう一度。
「ぬいとり」にちなんで、刺繍のあるハンカチーフの上に置いて撮ってみました。
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