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ターフェルムジーク鎌倉のアンコール演奏会-2 [音楽]

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さて、「コーヒーカンタータ」です。
ターフェルムジーク鎌倉の「バッハ教会カンタータ連続演奏会」を10年にわたって聴かせていただき、
教会カンタータは、町の人々の娯楽といった側面もあり(ライプツィヒの人々はなんて贅沢!)、シカツメらしさ一方のものではないことを知りました。
さらにバッハ先生は、教会にかかわりのないカンタータも20曲ほど作曲しているそうです。その一つが1732年作曲と考えられている「コーヒーカンタータ」です。
配役は、娘のリースヒェンがソプラノの藤崎美苗さん。教会カンタータでいつも見事なソロを聴かせてくださる方です。連続演奏会を聴く楽しみの一つが藤崎さんの歌でした。
父シュレンドリアーンは、バリトンの大川五郎さん。ソリストであると同時に、教会カンタータの合唱指揮をつとめてきました。私は学生時代から大川さんの追っかけです。
もう一人、ストーリーの説明役としてテノールの石川洋人さん。

「コーヒーカンタータ」の内容に宗教色は全くなく、当時のドイツ上流市民の生活そのものと思われます。
親父殿は、娘がコーヒーを飲む習慣をいやがっています。
ダメの理由は説明せずに、ただ止めろという。若い者のすることがわけもなく気に入らないのは、いつの時代も変わらない世代間の摩擦です。
親父殿、娘がコーヒーを止めないなら、お祝い事への出席や散歩も禁じる、流行のドレスも作ってやらないと脅します。18世紀ドイツ、上流市民の社会では、娘は箱入り状態だったのですね。
それでもコーヒーは止めないという娘に、親父殿は方針を変え、懐柔にかかります。
「コーヒーを止めるなら、すぐにもお婿さんをさがしてあげる」
娘、「じゃあ、いいわ。コーヒー止めます」と、美しいアリアを歌います。しかしこのアリア、従順な心をあらわしているとはとても思えません。勝ち誇った調子で歌い、しかも華やかなフルートの旋律が加勢するのですから(フルートは、ターフェルムジーク鎌倉の主催者、吉田龍夫さん)。親父殿の劣勢は明らかですが…
娘の言葉にほっとした親父殿、さっそく婿さがしにでかけました。
ここで説明者が登場。
「娘はいち早く、コーヒーを認めてくれる人でなければお婿さんお断りという噂を広めたとさ」。
箱入り娘にはお付きの女中なり小間使いがいたはずで、こちらは娘の味方。外出ままならぬ娘の代わりに噂をばらまいたから、親父殿の婿さがしに応じるのは、コーヒーOKの男ばかり。
と、いうことなんでしょうね。

じつは私、ずっとずっと前、二期会の勉強会のような演奏会で「コーヒーカンタータ」を聴いています。
私は音楽を聴きはじめた頃だったし、演奏家も成熟していなかったでしょう。
今度の方が、格段に楽しめました。
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