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再びのイタリア-28 [旅気分]

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ラヴェンナへ
10月25日。今日は移動の日。ホテルの朝食の時間は7時からです。
1階でエレベーターを降りると、レストランは真っ暗。フロントには誰もいない。
???
うろうろしていたら、制服の男性が階段を下りてきました。「まだ6時だよ。サマータイムは終わったの」
ポケットから携帯をとりだし、ぱちんと開いて、時計を見せてくれました。「ほら、ね」
「わかった、ありがと」
部屋に戻ってテレビをつけました。夜中の2時と3時の間に変わるのですね。
去年、スペインのホテルでは、ベッドの上に「お知らせ」の手紙が乗っていました。まるで自分たちの責任みたいに、お詫びの手紙のような丁重な書き方でした。
それにひきかえ、ここのフロントときたら。昨日は何度もフロントを通過しているのに、いってもくれなった。
これが1時間早くなる季節なら悲劇です。

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アッシジからラヴェンナにいくには、いったんフィレンツェにもどってからボローニャにいき、ローカル線に乗り換えなければなりません。イタリアの列車は、プラットホームとの間に大きな段差があります。乗りこむには狭いステップを2段上がって、3段目が車両の床です。スーツケースをもっているから、これが厄介。
ともあれ指定席に落ち着いて、電光掲示板の「Benvenuti」って歓迎の挨拶みたいねと、リラックスしすぎたのか……[がく~(落胆した顔)]
ボローニャの駅。急行からローカル線に乗り換えるには、階段を下りるらしいね。やれやれ。見まわしていたら、
出ました、自称ポーター。「気をつけるように」と旅行案内に書いてあったとおりです。
あとから考えればエスカレーターがあったはずだし(エレベーターはないらしい)、まわりに人がいたのだから、大声で「だめ!」とか、「料金はいくらなのさ?」といえばよかったのです。 
相手はイタリア人ではなさそうですが、明るい感じの若者。数ユーロくらいかな、と、スーツケースを手放したとたん、人相のわるいのが2人、ぬっと現われました。まるでドーミエの版画から抜け出してきたような悪党づら。なるほどね、そういう仕掛けですかい。
結局のところ、ぼったくりの若者はちゃんと仕事し、悪党づらの2人はニタニタ笑いをしながらついてくるだけ。
若者は、私のスーツケースを車内にもちこんだので、私は「ちがうでしょ」と、スーツケース置き場にいき、ダイヤルを合わせてロック。若者はおとなしく待っています。
いよいよ支払。高すぎ! さらに、「われわれ3人だから」と追加料金を要求します。
私はお金を分散してもっているので、バッグのなかの財布にはいくらも入っていませんでした。
「もっと」と手を出します。
「ないよ」
「もっと」
私は小銭入れとりだし、ひとーつ、ふたーつ…なんだか時蕎麦みたい。
全額渡さないうちに、若者はふっと消えました。発車時刻が迫っていたようです。
ふとうしろを見ると、日本人らしい若い女性がいました。
「やられちゃった」と私がいうと、彼女はリュックをもって、すぐにこっちの席に移ってきました。
K・Kさんといい、やはり一人旅の途中です。若いだけあって、ずいぶん身軽ですが、話してみると興味の対象が似ていて、たちまち仲良しになりました。
ぼったくりが案内したのは、私が乗ると予定していた列車よりも1本早かったのです。おかげでK・Kさんという、いいお友達と出会えました。ぼったくりのお兄さんに感謝[わーい(嬉しい顔)]
帰国してから、ぼったくりに遭ったと話すと、相手は「怖い!」といいますが、白昼だし、脅されたわけではないし、怖いとは思いませんでした。イタリアの駅には誰でも入れるから自称ポーターもなりたつわけですが、そこは商売、暴力的なことはしないというあたりで、お目こぼしをしてもらっているのでしょう。彼らにしても、外国からイタリアにきて、ほかに仕事がないからやっているにちがいない。これも旅の思い出となりました。

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