ハルコさんの住む街-3 [食いしん坊]
ハルコさんが髪をカットするときは、剃刀がすごい勢いで上下し、それと同じくらいの速さで喋るので、手元が狂いやしないかと、ちょっと怖いです。いつだったか、「直下型地震がきたら頭が切れちゃうかも」といっていたっけ。
そんなことで、カットはじきにオシマイ。
仕事がすんだらオヤツの時間。私は、ハルコさんを訪問するときは覚悟して昼抜きです。
「ちょっと待っててね、ピザ焼くからね」
ハルコさんの「ピザ」は、トースト用の厚切りパンにケチャップをたっぷり塗り、ローストビーフとチーズを乗せて焼いたものでした。サラダ菜もはさんであります。そしてマグカップにあふれんばかりの濃いコーヒー。これはインスタントです。
有難くごちそうになり、「うん、おいしかった。あらーっ!」
ハルコさんの力作、撮るのを忘れた。私、いつものことですが、食べ物があるとカメラは念頭に浮かびません。
慚愧です、後悔先に立たずです。料理は得意でないというハルコさんが、一生懸命作ってくれたのに。
今度はハルコさん、アンパンをとりだしました。「これも食べて」
「もう、いっぱい」
「小さいよ、つぶせばちょっぴりになるよ、食べられるって」
手にとってみると、結構重い。あんこがたっぷり入っていそうです。
「ムリ、ムリ。いただいて帰るわ」
翌朝。パン生地にクルミが散らしてあるおいしいアンパンでした。
2011-04-07 01:06
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