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再びのイタリア-6 [旅気分]

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メディチ家礼拝堂 その2
贅沢の極みでありながら瀟洒な美で満たされた空間から、別室に一歩足を踏み入れた瞬間、あっと息をのみました。ここにあったんだ…ミケランジェロの、かの有名な四体の彫刻が!
学生時代から、美術全集の写真で知ってはいました。
でも遠い異国のこと。どこにあるかなんて、見にいけるなんて、思いもしなかった。
それが、いきなり目のまえに。ガラス越しでもなく。
一昨年、はじめてフィレンツェを訪ねたときの体験です。旅行案内にはちゃんと書いてあるのに、読んでいなかったのです。そうはいうものの、
予期せずにいきなり実物に対面してしまったからこその、戦慄。
今度は二度目。おののきはありません。観察、余裕です。
石の肌をツルツルりに磨きあげた部分も、ノミの跡が残る部分もあることがわかりました。
なんらかの事情で中断したのか、あえて未完の部分を残したのか。
私は、この粗削りな男の顔の、沈鬱な表情に一番惹かれました。

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女性像の肌は二体ともツルツル。男性像の肌は光沢がありません。

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ピエタのマリアやダビデの像は見事で美しいけれど、この四体の彫像に見るような感情がありません。
二体の彫像にはさまれて座るメディチ家の人物二人も同様。
しかし、なかば横たわる四人の顔だけは…じっと見ていると、自分の心の暗がりに下りていかねばならぬような気持ちにさせられます。
もしも、もう一度フィレンツェを訪ねることがあったら、またここにきてしまいそう。
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